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ERASプロトコールとは・・・

当院での帝王切開における周術期管理は術後早期回復を目的として、最新のERASプロトコールを採用して行っております。
これはEnhanced Recovery After Surgeryの頭文字をとった略語で、ヨーロッパ静脈経腸栄養学会で提唱され始めた包括的な周術期管理法です。
最近では帝王切開に限定したEnhanced Recovery After Caesarean section: ERACといった表現もあります。
従来の術後管理は、術後数日間ベッド上安静にするといったことや、長期間点滴をしておならが出たら食事を開始するというようなことが一般的でした。
しかし、これらは過去の慣習に基づいた周術期管理方法で、必ずしもエビデンス (論理的証拠)に基づいたものではありませんでした。
これら伝統的な周術期管理法を一つ一つ論理的に検証、改善して術後早期の体力回復を行うものがERASプロトコールです。(図1)
絶飲食期間の短縮、術中低体温の予防、硬膜外麻酔の併用による適切な疼痛管理、点滴やカテーテルの早期抜去による早期離床など17項目のプロトコールが挙げられます。 (図2)

ERASプロトコールに準じた管理により当院では、帝王切開によって出産された患者様もお腹を切開したとは思えないくらい痛みが軽いため、経腟分娩で出産された患者様とほとんど変わらない程元気に赤ちゃんのケアを術後早期から行うことができております。